指輪型デバイス「Oura Ring」で、デジタル依存することなく”自分”を知る

近年,IoT(Internet of Things)と呼ばれる「様々なデバイスがインターネットに繋がる概念」が広まっています.

スマホもその一種ではありますが,Apple Watch等のスマートウォッチや、Amazon Echoを始めとするスマートスピーカー,スマホで操作できるIT家電(スマートライト,洗濯機等),今では身近に多くの「インターネットにつながるデバイス」に囲まれて過ごしている方も多いことでしょう.

そんなIoTデバイスの中には,小さいながらも多種多様なセンサーを搭載し,そのデータをクラウドへ送るという機能を有しているモノがあります(例:Apple Watchは、腕時計の大きさの中に加速度・心拍・血中酸素濃度・環境光といったセンサーが搭載されていて,そのデータがAppleのクラウドへ送信されます)

センサーを搭載したデバイスは人体のデータ取得にも活用されており,腕時計タイプから肌に直接巻きつけるタイプのものなど、様々な形に変化しています.

そんな中,今日ご紹介するのは特に珍しい”指輪型のIoTデバイス”である「Oura Ring」になります.

Index

Oura Ringとは

「Oura Ring」はフィンランドの企業であるOura社が提供する,“指につけて自分のバイタルデータを取得できるヘルスケアデバイス”です。

少し厚めのリングの内側に赤外線LEDセンサーが搭載されていて、このセンサーで血流や拍動から、心拍数や消費カロリー等を割り出してくれます。

指輪型で軽量なため、生活の邪魔になることもなく、就寝時間も含めて24時間ストレスフリーに自分のバイタルデータを取得することができます。(バッテリーはフル充電で4〜7日程度持つので、充電を意識しなくて良いのもメリットです)

指に取り付けるメリットとして、スマートウォッチのような手首でデータを測定するセンサーよりも、指の手のひら側の方がより親密で正確なデータが取れるという点が挙げられます。

参考までに、血中酸素濃度を測る「パルスオキシメーター」という機器は、より正確なデータを取得するために指先の手のひら側で測定する仕組みになっています。

取得したデータはスマートフォンのアプリ経由でOuraのクラウドに送信され、アプリもしくはWEBサイトから確認することができます。

装着する指は、より正確なデータを取得するため「人差し指」もしくは「中指」が推奨されています。私は薬指に結婚指輪をしているため、指輪同士がぶつかることを避けられるよう人差し指に着けています。

Oura Ringで測定できること

ここからは,Oura Ringで具体的にどんなことができる(知ることができる)のかをご紹介します。

以下で挙げているのは主要なもので,これら以外にも細かいデータや機能を持っています。

活動量

まずは活動量(アクティビティ)です。

Oura Ringを着けて生活をすると、その活動を計測し、そこからどの程度のカロリーを消費したか表示してくれます。

私はデスクワークと立ち仕事が半々ぐらいなので、この活動量を見ることで「今日はあまり動けていないから、少し多めに立ち仕事をしよう」といった改善行動に繋げています。

心拍

心拍数も、身体・精神状態を知るのに重要なデータとなります。

Oura Ringは,通常の心拍数はもちろんのこと,心拍変動や安静度心拍数も測定してくれます。

この心拍変動と安静時心拍数は、リラックスできているか・良好な睡眠が取得できているか等を分析する指標です。

私は毎朝,Ouraアプリで昨晩の睡眠データを見つつ,寝ている時の安静時心拍数をチェックするようにしています。すると「お酒を飲んだ夜は心拍数が高い」ということが分かるので,「以降は深酒をしない」という様な実際の行動に繋げることができています。

また、データを見ることで、「なんでこの日は調子が良かった(or悪かった)のだろう」と、1日を振り返る時にも役立ち、“自分のこと”がより分かるようになります。

睡眠

次に,人間の3大欲求の一つである「睡眠」です。

睡眠の重要性は至るところで述べられているので細かくは触れませんが、睡眠の質はパフォーマンスに大きく影響します。

Ouraは、毎日の睡眠の質を数値化して表示してくれるので、パッと一目で“どれだけ良く寝れたか”が分かります。ユーザー目線では、細かいデータよりまとめた結果の方がありがたいですよね。(といいつつ、私は細かく数字をチェックするのが好きです)

このOura Ringは特に睡眠トラッカーとしての性能が高く、睡眠ラボといった研究機関レベルで取得できるデータと比べても有効なデータであるということが認められています。

また、Oura Ringを着け始めて驚いたのが、ちょっとした仮眠までしっかり計測をしてくれるという点です。少し椅子にもたれて昼寝(パワーナップ)をしていたり、バスでウトウトしていても、そのデータを吸い上げてコンディションデータに反映してくれます。

体温

普段、「熱っぽいな」と思わない限り測ることのない体温ですが、Oura Ringは毎日体温をチェックしてくれます。

体温計のように「36.5℃」のような絶対値では表示されませんが、自分の過去のデータから平均体温を割り出し、その平均体温との誤差を、相対的な数字で表してくれます。(表示されるデータは夜間帯の体温のみを測定しています)

例:-0.1℃(いつもの体温よりわずかに低い)、+0.3℃(いつもの体温より少し高め)

実際に平均体温が何度に設定されているかはユーザーには分かりませんが、それでも「ちょっと身体にだるいな・・・」と思ってデータを見ると+0.3℃が表示されて、「なるほど、少し熱があるのか」と、センサーの数値で納得することが多々あります。

Oura Ringは0.05℃単位で皮膚温度を検出できるので、わずかな体調の変化で体温が細かく変動することを知る良いキッカケを与えてくれます。

呼吸

さらに、Oura Ringは「呼吸数」も計測することができます。

その精度も、1分で1呼吸未満の誤差ということで、十分に有効なデータとされています。

深く呼吸できているかは呼吸数に現れてくるため、このデータをチェックすることによって、不調の予兆に繋げられます。(例:呼吸数が多すぎると、体内の酸素が不足している 等)

体調(コンディション)

Oura Ringは、ここまで紹介してきた「活動量」「心拍」「睡眠」「体温」「呼吸」、これらを総合的に分析したうえで、最終的に現在の体調(コンディション)を数値化してくれます。

数週間、リングを装着していると自分の平均的なコンディションが分かってくるので、その数値をどうやったら上げられるかにゲーム感覚で自己改善に取り組むことが可能です。

と言っている私自身、半年以上このリングを装着していながらコンディション80点以上の高得点を叩き出したことがないので、いまだに体調改善を模索する日々を送っています。

Oura Ringは頻繁にソフトウェアをアップデートをして新しい機能が追加されているので、ここで挙げたものは一部になります。

Oura Ringを使い始めて変わったこと

Oura Ringで測定できることを知ったうえで、そのデータから私の生活がどう変わったかを紹介します。

感覚値が、データによって“確信”に変わる

当たり前ですが、自分がなんとなく体で感じたことを数値で表してくれるので、感覚が確信に変わります。

Oura Ringは些細な体調変化も見抜くので、朝起きた時に「頭が重い・・・」と思ってデータを見ると、やはり何らかの数値が悪くなっていることが多いです。

「感覚値」はある意味で最も正確なデータではありますが、それを補ってくれるのがセンサーデータで、大量のデータがあれば、自分の傾向も分かってくるようになります。(例:水曜日が疲れやすい 等)

Oura Ringの数値データは、基本的に夜間に取得されているものが多いのですが、2021年11月から発売開始となった第3世代は24時間365日のリアルタイム心拍計測が出来たりと、今後さらにリアルタイムに情報を可視化してくれるので,アップデートを非常に楽しみにしています。(第3世代は注文済みなので、届くのが楽しみです)

運動や睡眠を意識するようになる

活動量や睡眠が数値で示されるので、数値の向上を意識するようになりました。

Oura Ringの素晴らしい点として、その日のコンディションによって、その日の適切な活動量を教えてくれる機能があります。

体調があまり良くない日に、「アクティブな活動での消費カロリーは200までにして、あとはゆっくり休みましょう」や、逆に体調が良い日は400カロリーを目指そうと伝えてくれたりと、その時々に合わせた目標値を自動で提案してくれます。

また、Oura Ringの通知をONにしておくと、「少し足を伸ばしてみませんか?」や「活動量が目標の半分を超えました!」というように活動も促してくれるので、デスクワークに集中していても忘れずに身体を動かすことができます。

自分の状態を知るのが楽しい

これはただの感情論になりますが、毎日”自分自身を知る”ことができるのは純粋に楽しいです。

毎朝データを眺めて、「これぐらいの睡眠時間を取るとこの点数なのか」や「今日は体が軽いと思ったら、やっぱり睡眠の評価が良かった。昨日の夜はどんなことをしたかな?」など、少しの気づきだけでも人生を楽しくすることができます。

購入方法(現状は公式サイト一択)

一通りOura Ringの紹介を終えたところで,もしかしたら実際に手に取ってみたいと思った方もいらっしゃるかもしれませんが,残念ながらOura Ringは日本国内に正規代理店がなく,どこの店舗にも置いてありません。

2021年12月時点での購入方法は大きく2つあります。

が,現状の選択肢は「Oura公式サイト」一択です。絶対にAmazonで買ってはいけません。

<第3世代リング(安いモデル)での価格比較>

  • Oura公式サイト:約43,000円(関税含む)※2022/10/1時点の為替:1USドル=144円
    • Oura Ring ( Heritage ):$299
    • サイジングキット:$0
    • 関税:2,500円(私の例)
  • Amazon:53,850円(2022.10.1時点の一例)
    • Oura Ring:48,500円
    • サイジングキット:5,350円

この価格差を見れば,理由は一目瞭然です。(サイジングキットについては後述)

Oura公式サイトは英語なので,英語が苦手な方はサイトを開いた瞬間に閉じてしまうかもしれませんが,よくよく見れば至って簡単な英語で書かれているのですぐに理解できます。

「海外から買うのはちょっと抵抗が・・・」という不安もあるかもしれませんが、実際には何の問題も起こらないですし、その理由だけで4万円近くも損するのは合理的ではないので、新しい体験と割り切って海外から取り寄せてみましょう。

もし何らかトラブルがあった場合の問い合わせは英語でしないといけないといけませんが,問い合わせのメール英文例ぐらいはインターネットで検索すればいくらでも出てくるので,英語が苦手な方でも特に問題ありません。

購入にあたって注意したいこと

購入にあたっては,事前に知っておいてほしい(考えておいてほしい)項目がいくつかあるので,ここに記しておきます。

サイズ確認は必須

このリングは24時間365日装着するモノです。そのため,事前のサイズ確認はしっかりと行う必要があります。

Oura Ring公式サイトでリングを購入すると,無償でサイジングキットが送られてきます。

サイジングキット内には数種類のサイズのリング(プラスチックのダミーリング)が入っているので,この中から自分に合うものをしっかりと吟味しましょう。

人間は24時間の中でも変化する生き物なので,少し着けてみて「このサイズで大丈夫」と決めてしまうのではなく,最低でも24時間は着けて様子を見ることをオススメします。(私はサイズを間違えて海外とやり取りするのを避けるため,2日間しっかりと試着しました)

製品が届くまで最長1ヶ月ぐらいは覚悟する

Oura Ring公式サイトでリングを購入すると一刻も早く使いたい気持ちに駆られますが,残念ながらすぐに製品を手に入れることはできません。

というのも,リングを購入した後は最初に製品ではなく,サイジングキットが送られてくるからです。Oura側も当然,ユーザに間違ったサイズを選んでほしくないと思いがあります。

しかも、これが海外(フィンランド)から送られてくるので,とにかく時間がかかります。製品を手に入れるまでの流れは以下のとおりです。

  1. Oura Ringを注文
  2. 海外からサイジングキットが届く(約1週間)
  3. サイズ確認,本製品申し込み(1〜2日)
  4. 海外から本製品が届く(約1週間)

購入の際は衝動を抑えつつ、じっくりと楽しみに待ちましょう。

他者からの視線に注意(特に社会人)

Oura Ringは指輪型であるため、着けている側はそう気にならないという内容を書きましたが、第三者の視点は別物です。

指輪は控え目のモノ(結婚指輪など)でも目立つので、少しゴツめのOura Ringはかなり目立ち、古き良き時代を生き抜いてきた世代の方々には批判の目で見られる可能性があることも認識しておくことが大事です。

もし、「いきなり指輪なんて着け始めたら周りからなんて言われるか・・・」という不安がある方は、あえて自分から話を振るのも効果的です。

参考までに、「最近、センサーに寝不足だぞって怒られるんですよね」みたいな話をすると、相手から「え、そんなの分かるの?」みたいな言葉が返ってくるので、「実はこの指輪が〜」という話題に持っていくと、相手も「オシャレ意識の指輪ではない」と理解してくれるパターンが多いです。

なお、職業上どうしても指輪を着けられない(看護師や厨房のシェフなど)という方は、自分の生活で本当に装着していられる時間があるか(有効なデータが取得できそうか)をしっかり考えたうえで購入しましょう。

おわりに

取得できるデータはスマートウォッチの方が多いですが、精度が研究レベルであること、バッテリー持ちの良さ、寝ている時でも着けていられるメリットから、私はOura Ringに惚れ込んでいます。(スマートウォッチを24時間着けるのは嫌なので・・・)

また、“機能が単一“であるというところも非常に気に魅力です。スマートウォッチと違い、Oura Ringはバイタルデータの取得・分析に特化したデバイスであり、電話着信を教えてくれたり、LINEの通知もしてくれません。

悪く言えば「不便」ではありますが、不便だからこそ、このデバイスに依存することがないという最大のメリットを享受でっきます。

この記事を見てOura Ringに興味をもっていただける方がいれば嬉しい限りですが、いかんせん高価な代物なので、購入にあたっては明確な目的を持つことをオススメします。

24時間365日を共にしているOura Ringへの熱い思いから長文の記事になってしまいましたが、ご参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

福岡県の田舎に住む40歳のサラリーマンです。
テクノロジーの誘惑や通知地獄による”デジタル疲れ”を引き起こしている中で出会った「デジタル・ミニマリズム」の思想に惹かれ,少しずつ実践をしています。
デジタルツールは大好きだけど,テクノロジーに人生を支配されたくはない。そんな葛藤の日々を綴っています。

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